食べるということ
過食が常になってきた頃
このままじゃ際限無く太る
元に戻れなくなる
食事に甘えてばかりの自分は許せない
許せない
許せない
頭がぐるぐる
仕事をしていても食べ物のことばかり考えていた
過食したい
食べたくない
食べたくない
食べなければいい
食べたくないから、食べなければいい
思考回路のスイッチが初めて入れ替わった
食べたくない、太りたくないなら食べなければいい
吐きたくないし、下剤を乱用したくないから、食べなければいい
食べなければこんなに悩まなくていいんだってことに気づいてしまった
食べて甘えている自分を、少しは許せるようになるかもしれない
甘えなくてすめば疑心暗鬼も消え去るかもしれない
食べるという甘えを、辞められるかもしれない
この思いが一番強かったな
甘えている自分を許せなかった
泣きながら食べて一時の快感を得ようとする自分が嫌だった
いつしか生きるための行動である「食べる」ということが、どうしようも無く許せなくて嫌いなことになっていった
この頃から、飢餓に近い食欲がぱたっと無くなった
1日1食、500キロカロリーにも満たない食事だけで大丈夫になっていった
500キロカロリーも取りたくはなかったけど、仕事をしているので取らざるをえなかった
食べるということは甘え
これは今でも自分の中の揺るがない事実になっている
甘えている自分を許せない